ごほうび

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 丹波市出身で、夏の近畿大会出場を決めた、福知山淑徳高女子バレーボール部3年の佐伯秀美さんと松本晴香さんを取材した。大会のようすなど、ひと通り話を伺った後の何気ない雑談が心に残った。 「2人とも、バレーをするために淑徳に来たんよね、近畿に行けることになったし、やっぱり来て良かった?」と水を向けると、好結果を喜ぶと同時に「礼儀やマナーが身につき、人の事を考えられるようになった。こんなに人が変わるもんかというくらい自分が変わった。ここでバレーをやってよかった」と、人間的な成長を喜ぶ返事がかえってきた。 相手を思いやり、チームメイトが打ちやすいボールを渡すという意味を込め、練習着に「優しさは強さ」の言葉を記している。この「常に相手を思いやる」精神が身についたことで、自分の事を「人が変わったように」感じるようになったそうだ。 高校在学中に2人が味わったような喜びを感じられる人は限られていると思う。充実した時間を過ごした思い出は、一生の糧になるだろう。試合に勝ったことよりも、成長を喜ぶ境地に達したことこそが、がんばった2人へのごほうびのように感じた。(足立智和)

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