エイプリル・フール

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 4月1日は、軽い嘘をついても許される「エイプリル・フール」。日本には大正時代に西洋から伝わった古い風習だが、そもそもの由来は諸説あるそうだ。 4月1日を新年としていた16世紀のフランスで、国王が1月1日を新年とする暦を採用したことに民衆が反発したことが契機という説。インド仏教で、3月31日に修行を終えた人が翌日には俗世にまみれてしまうことから、4月1日をからかったことが発端という説。神話に基づいたものという説もあるという。洋の東西を越えて「起源」が存在するあたり、この風習に人々が感じる魅力の大きさがうかがえる。 10年以上前、ある大手新聞が4月1日付けの政治面で、「外国人の国務大臣就任を政府が検討」という趣旨の記事を掲載した。外務大臣にゴルバチョフ氏浮上-などの内容を大真面目に報じていたが、他の記事と区別する罫線には「4月1日はエイプリルフールです」の文字。思わず吹き出した。 嘘を載せてはいけないが、あんな遊び心がある記事を書きたいと思っている。しかし、「大真面目に遊ぶ」ことはなかなか難しい。もっと人間を磨かないと。(古西広祐)

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