バイタリティ

2007.01.31
未―コラム記者ノート

 3月28日号の「あの街この店」で紹介した割烹「竹善」は、ちょっと変わっている。家族でコツコツと家を建てて、でき上がった時にたまたま知り合った料理人と意気投合し、いろりで串かつを揚げて食べるお店にしてしまったのだ。 主人の畑中勉さんは土木作業員。経験を生かして基礎工事から自分たちで取りかかった。家づくりにかかれるのは日曜日と夜。妻、息子と一緒に作業をし、収入が入れば材料を買い足すというサイクルで4年がかりで完成させた。専門職でなくとも家を造ることはできるのだなあと感心。 料理長の黒田恭二さんは、大阪からのIターン。自宅の参考に煙突のある家を探していて、できたばかりの畑中さん宅を見つけたのが縁だった。黒田さんはテレビに取り上げられたこともあるという串かつの人気店を営んでおり、じゃあこの家で店を、という話にまとまったというから急展開だ。 いろりがあるのに煙突、というのも不思議に聞こえるが、外観は板張りの洋風2階建てになっている。ちなみに2階はカウンターバー付きのカラオケルームだ。バイタリティあふれる畑中さん一家に驚いた出会いだった。(徳舛 純)

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