不正を正せる組織に

2007.01.31
未―コラム記者ノート

 悪質なリコール隠しを行った三菱ふそうの前会長らが逮捕された。事故の虚偽報告をしてまで守りたかったブランドイメージは地に落ちたが、それぞれが職責を自覚していれば、本当に守るべきものがわかったはずだろうに。 三菱とは性質が違うものの、篠山では丹波ささやま農協の前組合長による業務上横領という疑いが発覚した。真相の解明は今後の捜査を待たなければならないが、真実であれば組織のトップとしてあるまじき行為だ。 また、不祥事が起これば、再発防止のための方策をとる必要がある。同農協も、会計ルールの再検討や外部監査の実行などを上げた。しかし、組合員にこの問題について聞くと、「不正に対し声を上げようとしても、できない組織になっているのでは」という指摘があった。 自浄機能が働かないのであれば、チェックの強化といった対処療法だけでなく、構造を改める根本治療が必要だろう。意識改革と掛け声を上げるのは簡単だが、本当に達成するには相当な努力が必要だ。組合一丸となって使命感を持ちそれを成し遂げ、再び信頼を得る日が早く来ることを願ってやまない。(坂本守啓)

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