舞鶴市の2児置き去り事件で、ただ一人行方が分からなかった母親の遺体が篠山市内で見つかった。遠い所の出来事と思っていた事件が、思わぬ形で丹波地域にも影を落とすことになった。丹波地域に住み、丹波地域で働いていると、ともすれば忘れそうになるが、常に外の世界と密接に結びついているという現実をまざまざと見せつけられた。 地図を広げると、京都府と大阪府との府県境に位置する丹波、篠山の2市は、15の自治体と接している。高速道路のインターがあり、国道175号、176号、372号、427号、429号が走る。17日には国道483号春日和田山道路の供用が始まる。車があればどこにでも行ける、交通の利便性は高い地域だ。 反面、交通網の発達は、予期せぬ出来事も運んで来る。いつ、どこでどんな事件に巻き込まれるか分からない「危険」と隣合わせで暮らしているという心構えをいっそう強く持たなければならない。 容疑者はこれまで詳細な供述をしなかったために、母親は故郷でもない冷たい山の中に半月も放置された。母親の冥福と、一日も早く事件の全容が解明される事を祈りたい。(足立智和)