丹波霧が深まり、篠山特産の黒大豆の出荷が間近になった。農家の畑や軒先で干され、出荷を待っている。 昔ながらの干し方で、『絵になる』のは「黒豆稲木」。稲木に黒豆をかけており、一段のものもあれば、三段くらいのものもある。そのほか、台風で倒れないよう黒大豆の両脇に張った線を利用し、その上に並べている農家も。田畑の畝にそのまま伏せて乾かしていたり、軒先にぐるっと立て掛けている家もよく目にする。 また、新しい乾燥方法の研究も進んでいる。畑での「葉取り」の作業を省略し、葉付きのまま乾燥させる機械を、篠山農業改良普及センターなどが試験的に導入している。作業の労力が軽減できるのがメリットだ。 黒大豆の本場、川北地区で、黒豆を稲木にかけていた農家が心配しておられた。「近所でも黒豆を作っている農家は年寄りばかり。みんな70代以上やないか」。丹波篠山の黒豆がいくら有名になって人気が出ても、作る人がいなくてはどうにもならない。特産のPRも大事だが、まずは作り手をしっかり確保することが必要だと思った。(徳舛 純)