社員旅行で三重県松阪市の「夕刊三重新聞社」を見学させて頂いた。地方新聞という珍しい業種上、同業他社を訪問する機会はめったになく、とても刺激になった。「夕刊三重」は、松阪市と周辺町村の人口20万人余りの地域をエリアにし、2万部強を発行している日刊地方紙。デジタル化時代に対応し、積極的な設備投資を行っている。 内容面では、地域住民の活動を取り上げた記事が多い丹波新聞と比べ、生活に役立つ「情報」に力を入れていると感じた。訃報のコーナーは、「市の発表より早く」掲載し、人柄まで書いている。「生活ニュース」のコーナーには学校給食のメニューまで出ているという細かさだった。 またスポーツ面をカラー化し、成績と写真を掲載。ただ、日曜日に行なわれることが多い大会をほとんど全て取材するため、記者が平日に代休を取ることが多くなり、「他の取材には犠牲を払っている」面もあるという。 読者のニーズをどう捉え、どんな紙面を作っていくのか。紙面づくりのスタンスを常々考え、他紙との差別化をはかっていくことが生き延びる道だと痛感した。(徳舛 純)