丹波地方で様々な団体をネットワーク化､窓口を一本化し､都市部へ情報発信する動きが出てきた｡一つは､映画やテレビドラマなどのロケーション撮影を誘致する団体｢フィルムコミッション(ＦＣ)｣を篠山に作ろうという計画｡これまでの大規模な予算を使ったイベントへの行き詰まりから出た計画で､同市の露出度を上げ､観光客増加や地域産業の経済的効果を狙う｡　もう一つは､丹波地方の農家や観光関連団体などが集まり､都市部からの旅行者を受入れる体制作りを進めている丹波食文化発信機構の取り組み｡増加する都市部からの農業観光に対して､都市部の旅行社や個人旅行者からの問い合わせ先を一本化する｡さらに､旅行社と連携し､丹波地方へのバスツアーを企画する｡観光の専門家は｢地方の旅行社がまちの活性化と連携するのは全国でもまれ｣と評価する｡　両取り組みとも､これまでバラバラだった丹波地方の『顔』を一つにするなど､都市部からの視点に立っている点で画期的な取り組みだ｡会員の利益だけにとらわれず､旅行者や撮影者のニーズに応じたサービスや情報発信をする必要があり､幅広い受入れ体制が求められる｡(坂井謙介)