家畜の出番

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 自宅近くの山(国道427号播州峠)で、2頭の捨てヤギが見つかってから1カ月半ほどになる。1頭は今も元気に、道路ののり面に生えた雑草をはんでいる。何度か捕獲に挑戦したが、手が届きそうな所で逃げられる。近頃は様子を見に行っても、出会えないこともある。行動範囲が広がり、「野ヤギ化」が進んでいる。 丹波市農業委員会が、ヤギで雑草を抑える実験をしている。ヤギに詳しい人によると、1頭がエサを食べる量、「雑草管理能力」は、草がたくさんある春から秋で、1.5アールから2アール程度だそうだ。2頭の受け持ちは、約7アールと広く、エサの大部分も、とうが立ったセイタカアワダチソウと、苛酷な職場環境だが、体を壊さない程度にがんばってほしい。 春日町多利でも、牛を放し、草抑えに使っている。牛の放し飼いは、幼い頃にも見たことがない光景で、新鮮だった。のんびりしている姿をながめていると、「のどかだなあ」「いい田舎の風情だなあ」と心が和んだ。機械は便利だが、人手がいる。人口減少社会を迎え、雑草管理には人手がいらない「動物」の出番が増えるだろう。機械にとって代わられた家畜の復権の日は、近いかもしれない。(足立智和)

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