丹波市の機構の概要が固まった。氷上町の本庁舎と、春日町の分庁舎で機能を二分し、水道業務の本部を山南町役場に、教育委員会の本部を柏原町に配置した。将来構想の中心に据えられていた「多極ネットワーク」の形態をとるための苦労の結晶と言えるのかもしれないが、効率的な行政運営からはほど遠いように思える。 特に必然性を感じないのが、教育委員会の位置だ。現在の氷上郡教育委員会から、合併後、氷上郡民会館に移転する。そのために老朽化が著しい郡民会館は改修される。6町でもっとも新しく、施設設備的に申し分のない山南町庁舎に、なぜ移さないのだろう。 支所も、中身の部分は複雑だ。支所に「生活課」が置かれるが、市役所に置かれる「生活部」は、「生活課」を統括する部ではない。支所で済まない用事の時は、本庁舎に行くのか分庁舎なのか、よく説明してもらわなければ、迷いそうだ。 組織、機構や市庁舎を巡る綱引きを見ていると、気持ちが萎える。反面、綱を引き合う6町の寄り合い所帯が、あと少しで解消されるのかと思うと、晴れ晴れした気分にもなる。(足立智和)