青垣町沢野に県が整備する「森林・野生動物保護管理センター(仮称)」の概要がまとまった。野生動物だけを専門に扱うセンターは、全国初。全国初の施設が、丹波地域に建設されることを喜び、「明るい話題」をうまく利用し、地域活性化につなげたい。 最も簡単で、効果が早くあらわれる野生動物対策は、「防護柵」だ。しかし、これは「対症療法」。抜本的な解決には向かわない。センターでは、この「抜本的解決策」を、さまざまな観点から探る。先日もクマが丹波市内で射殺されたが、言うまでもなく、動物を山から押し出した原因は、人間の側にある。人と野生動物の共存可能な環境を作る責任を、人間が負うのは当然のことなのかもしれない。 センターの研究が進み、結果が現場に還元されれば、丹波地域が全国で最も早く、農業被害防止などの恩恵をこうむることになるだろう。さらなる恩典として、入りこみ客の増加が期待できる。新たな商機がセンターにより生まれつつある。この機会に、「鹿サブレ」「イノシシ大福」「うり坊Tシャツ」「木彫りの野生動物の置物」など、ユニークな「名物」開発に、力を注いではいかがだろうか。(足立智和)