青く輝いた時代

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 丹波市市島町在住の作家、西安勇夫さんが「ミシガン無宿」に続く小説第2弾「青く輝いた時代(とき)」を11月5日に発表する。16歳の少年、鈴木慶太がバイクで日本一周する、というストーリーだが、西安さん曰く「8割が実話」だそうだ。 西安さんは16歳の夏休み、中古のバイクで24日間かけて北海道から九州まで日本一周を果たした。昼食は冷やしうどん、夕食はラーメンで切り詰め、寝泊りは家に泊めてもらうこともあったが、基本的に野宿か駅のベンチだった。 そもそも何故そんなことを計画したんですか、と聞くと「何かをしてみたかったから」と満面の笑み。その後も町役場でテントを借りるときの職員とのやりとり、旅先で出会った陸上自衛官やライダーらとの交流の様子を笑顔で話され、こちらも大いに楽しませていただいた。 最後に西安さんは「あのころはみんな親切で、日本中が元気だった」と話された。小説を読めば大らかで優しい人、夢を語る若者の姿が描かれる。「あのころ」からのメッセージを、今に生きる者の一人として受け止めようと思った。(西澤健太郎)

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