春日町の焼き肉店「小川亭」が、4月に「久保亭」に名を変え柏原町に移転する。店長は同じ久保定良さん。大阪出身の35歳だ。10年前、当時チェーン店だった小川亭の店長で赴任し、4年前に屋号はそのままで独立した。 小学3年生の時、「これ以上うまいものはない」と感激したのが焼き肉の原体験。だから肉は和牛、キムチやスープ、ドレッシングなどは自家製。鮮度から切り方まで、とにかくこだわる。その成果か営業成績は好調だった。 転機は独立9カ月目。国内でBSEが発生し、お客が一日一組前後に激減した。「焼き肉しかできない」久保さんには過酷すぎる状況。しかし、子どもと一緒に肉を食べる家族連れの笑顔や励ましを受け、信頼のありがたさを感じた。この時、「お客さんに、食材と空間でくつろいでいただく」というポリシーが生まれた。新店の壁には、そんな久保さんの思いが大書してある。 取材中、「うれしくて眠れない」という言葉そのままに、移転後のプランを次々と話してくれた。新店周辺には新旧の焼き肉店が並んでいる。鉄板顔負けの『熱い』店長が、どんな店をみせてくれるのか。楽しみだ。(古西広祐)