7日の丹波市議会定例会で、審議が4時間近くストップする一幕があった。市当局側との質疑のなかで、ある議員が地方自治法で禁止されている「兼職」状態にあるという疑いが急きょ浮上し、調査特別委員会設置の動議が出たためだ。 結論から書くと、この動議は取り下げられた。再開後の本会議で当局側が、現在は兼職状態にないと答弁を訂正、動議を出した議員は「納得が得られた」とした。 本会議を止め、議会運営委や全員協議会で長時間協議した割には、再開から動議取り下げまでの時間はわずか5分ほど。休憩中、終始「かやの外」に置かれた我々傍聴者には、事態の展開が極めて不透明に映った。 休憩中、兼職疑いの追及が急に始まり動議に至ったことについて、「政争の産物」と漏らす議員がいた。あっさりした結末は、休憩中の協議で兼職疑いが他議員に飛び火する可能性が浮上し攻め手が及び腰になったため、とも。 「邪推である」と憤る議員もおられるだろう。しかし見えない場所での協議は、邪推に説得力を与えるに充分な不信感を抱かせた。こんな淀みがたまらない「風通し」のよい議会が見たい。(古西広祐)