駐在さんと丹波焼

2007.01.31
未―コラム記者ノート

 篠山市の特産品、丹波焼作りに取り組んでいる篠山署の今田駐在所員、松田昌二さんを取材した。篠山に赴任するまで「丹波焼」という名前すら知らず、陶芸にも興味はなかったという。それが今では、窯焼き以外はほとんど自分で仕上げるほどの腕前で、駐在所にも立派な作品がいくつも並んでいた。だが、これだけならただ『趣味に熱中している人』。松田さんはそれに終わらず、地域住民との交流の機会にしていた。 今田地区は、松田さんが以前勤務していた尼崎西署管内と同じくらいの広さがあるというが、駐在所の数は尼崎西の13に対し今田は1つ。その分、「不審者などに関する情報提供をはじめ、地域の人の協力なしには仕事できません」という。「丹波焼がきっかけでみなさんとつながりができました。これが治安維持にもつながります」と話していた。 全国的に凶悪事件が増加する一方、警察の怠慢や不祥事に世間の批判が集まっている。しかし、松田さんをはじめ地道に活動する警官の努力があればこそ、われわれの安全が保証されている。より開かれ信頼できる警察組織を望むとともに、大きな期待も寄せたいと思う。(坂本守啓)

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