「きれいですね」から

2007.01.31
未―コラム記者ノート

自宅の庭を公開する丹波で2度目のオープンガーデンが始まった。第1回目の昨年は、取材ではなく趣味で何軒か回った。丹波の庭は美しい山並みを借景としたり、山野草も何気なく咲いていたりで独特である。庭主とだけでなく、同じ訪問者とも「きれいですね」からどんどん会話が弾む。花や緑を通して人とのつながりが広がっていくようだ。今年は、2回目ともあって準備が周到なようす。開催時期に合わせ、花の種類や植える時期を工夫したみたいだ。取材させていただいた篠山市の小西孝代さんの庭は、広大な敷地に、手作りの小物や案内板、瓦を利用した花壇など温かさが感じられる。3000球ものラッパズイセンやビオラ、アネモネ、ユキノシタ。色とりどりの花が心を躍らせる。篠山版で掲載した安口(はだかす)にある芝桜の『花じゅうたん』。池上みさをさん(88)が40年かけて株分けを重ね、作り上げた。隙間なく、びっしりと咲いているようすからは、池上さんの花に対する深い愛情が感じられる。「きれいですね」と言われるのが何よりの生きる励みになるという。庭公開の冊子には掲載されていないが、ぜひ見に行かれては。(坂井謙介)

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