このところ梅雨らしい天気が続いているが、阪神ファンの心中はそう快な日が多いようだ。プロ野球オンチの私も、最近は結果が気になりだした。 少し周りで取材してみると、「勝った日はビールの量が増える」「スポーツニュースをハシゴする」というのは一般的なファン。私にはちょっと考えられないのだが、「テレビ中継終了後の続きをラジオで聞きたいが、電波が入らないので車の中にこもって聞く」という意見にも同意が寄せられていた。中には「父は阪神、息子は巨人ファンなので難しい」という家庭もあり、いろいろと面白かった。 ところでなぜそのチームを応援するようになったのかを尋ねると、「家族の影響」という人が割と多かった。代々オリックス(阪急)ファンで「遺伝子レベル」という人、「父から受け継いだのは中日ファンということだけ」とまでいう人も。理由は案外単純なようだ。 阪神の「子どもクラブ」に入っていたというAさんは、「お父さんが仕事で遅くなったある日、結果を教えてあげようと思い、それまで興味がなかった野球を一生懸命に観るようになった」と言う。何ともほほえましい話。 好きな野球の話をする人たちの顔は本当に楽しそう。それに元をたどれば家族との楽しい思い出につながっているなんて、ちょっといい話だなと思う。(徳舛 純)