住民の時代へ

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 市島町の鴨庄地区で、地元の自治組織などが中心になり、地域バス「鴨庄ふれあいバス」の試験運行を始めた。各集落を巡回し、無料で利用者を地区の中心地に運ぶ。来年3月からの本運転を目指すという。 同地区では、地区内の高齢者の移動手段を確保しようと、1年前からバスの運行を検討を重ねてきた。バス運行は、一自治会にとって大事業。しかし、粘り強く実現を模索し、試験運行にこぎつけた。高齢者の移動手段は、山間地にとって大きな課題。地域住民によるバス運行の成功を祈りたい。 地域住民が、地域課題の解決や活性化に向けて立ち上がる姿は、地域団体の活動費を一部助成する県の新事業「地域活動団体パワーアップ事業」にも表れた。事業名に目を通すと、思わずニヤリとするユニークな名前もある。民間の柔軟な発想から生まれた、さまざまな活性化策が並んだ。 言われて久しい「地方の時代」。国と地方自治体の関係と同じく、地方の住民にもそれぞれの力をいかし、「お上まかせ」からの自立が求められているところだ。「ふれあいバス」や「パワーアップ事業」などへの取り組みからは、住民自活の芽は確実に見ることができる。後は、その芽を大切に育てることが必要だ。地方の報道に携わる我々が、その一翼を担えればと思う。(古西広祐)

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