「便利な時代になったもんですね」。春日中学校が修学旅行の様子をカメラ付き携帯電話で撮影し、ホームページに即日掲載するという話を取材したとき、技術の進歩に今さらながら感心してしまった。 中学校の先生によると、即日更新はこれまでも不可能ではなかったという。ただ、旅行先から画像を電子メールで送るには、デジタルカメラやパソコン、インターネットにつなぐ回線など必要なものが多く、現実的には対応するのは難しかった。それが今回、携帯電話一個で解決してしまった、というわけだ。 携帯電話の進化は、確かにすごい。お店に行くと、写真どころか動画撮影が可能な機種がずらりと並んでいる。着信音声、自分の場所を確認するGPS機能などなど、さながら「最新技術の見本市」。持っている携帯電話の機能をフル活用することはかなり困難では、と思えるほどだ。 しかし、かくも高機能な携帯電話にも、致命的な弱点がある。それは「電波」。電波が入らなければ、通話、メール送受信という基本機能すらままならない。そして山間部である丹波には、弱電波地域が確実にある。ちなみに我が家もそうである。 床に転がっているのは、最新機能付き『ただの箱』。どうも「便利な時代」というやつは、場所を選んで順番に訪れるようだ。(古西広祐)