柏原の厄神さんが終わった。小雪が舞うのが恒例だが、初日は少し傘の花が見られた程度で、二日目も大崩れはなく、参拝規制がかかるほどのにぎわいぶりだった。イベントも多彩で、芸術で耳や目の保養をさせていただいた。 ただ、参道の列ははほとんど動かないほど混んでいたのに比べ、露店に足を止めている人は少なかったように感じた。不景気の影響もあって、お参りだけに来た人が多かったのかもしれない。 そんな中、長蛇の列で注目を集めていた露店があった。中町から来たたいやき屋さんで、「冷めてもおいしい」とのこと。先代から同じ場所に店を出しているそうで、固定ファンも多い。あつあつをほおばると、あんこがしっぽまで入っており、皮も焦げ目がついていておいしい。四十分待った甲斐があった。 丹波新聞を購読してくれているそうで、「イベントの情報をチェックしている」とのこと。また「あの対談がよかった」という話も出て、アンテナの高さとサービス精神に感心した。人気の秘密はこうした努力から生まれるのではないかと思う。 人の波で埋まった商店街を歩くと、自然と足どりが軽くなった。人ごみが好きなわけではないが、知った顔に出会うといつもよりもうれしかった。やはりまちには人が集まるエネルギーがあってほしい。(徳舛 純)