構造改革特区制度の第四次募集に、篠山市、氷上郡6町、兵庫県が合同で「たんばツーリズム特区構想」を提案した。都市との交流や体験施設が豊富な丹波を背景に地域振興を図ろうと商工会が容易に旅行業に参入できるよう提案した。 現行法では、旅行を一般に企画、実施する業務は旅行会社に限られる。ツアー客保護のための保証金供託を免除するとともに、商工会法が定める事業範囲に旅行業を加える。都市農村交流を図る全国の構造改革特区では、農家民宿や市民農園を増やす特区が多い。一方、丹波の提案は、そういった、施設同士を連携させ、都市に紹介し、さらに旅行を仲介して集客をするという地域振興の可能性が広がるものである。これまで、農村側には旅行を業務として受け入れる仕組みがなかった。情報提供のみに終わっていた。認定されれば、丹波の魅力を積極的に経済効果に結び付けられるシステムが可能になる。 都市の人は、旅行雑誌に載っているような体験からさらに、人やグループとの交流や学習など、その地域でしか味わえない体験を望んでいる。各地域振興の活動がひとつにまとまるきっかけになればと認定を期待する。(坂井謙介)