食教育の「幹」に

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 春日町で学校給食が始まった14日、配ぜんのようすを取材するため春日中学校を訪れた。エプロンに身を包んだ給食当番が「○○持ってきて」などと、にぎやかに相談しながら準備を進める姿は、自分が給食のある中学校に通っていた10年前の風景と同じ。少しばかりの懐かしさを感じながら、写真に収めた。 学校給食の担う役割は、「食教育」という言葉で多く示される。「食による教育」「食についての教育」、どちらの意味も含む言葉だろう。自分たちの食事をクラスメートと一緒に整える「給食当番」の仕組みも、日常的に取り組むことで食事や共同作業への意識付けに作用する部分が大きい。これは「食による教育」の一つと言える。 もう一方の「食についての教育」は、食事について正しい知識を伝えること。ジャンクフードなどの氾らんで乱れがちな食生活を、健全な姿で維持するための情報発信が必要になる。スタートしたばかりの現段階では難しいが、学校給食が根づいてからは、取り組むべき大きな課題になる。 もっともそれらの役割は、学校給食だけが負うのではない。子どもたちの食事の大部分を占める、家庭での取り組みが重要だ。センターを中心とする学校給食を「幹」として、各家庭に食教育の「枝葉」が広がっていく。そんな学校給食のあり方が期待される。(古西広祐)

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