「ゆとり」の減少

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 新年度予算案の発表が始まった。地方交付税を中心に収入の減り幅が大きく、支出を減らそうとするものの、追いつかず、自治体は経営危機に陥っている。家計に例えると家賃や光熱費、食費などで、給料の大部分が消え「ゆとり」がなくなっている。 予算額で地方交付税の減少度合を見ると、春日町は平成13年度には約26億円あった交付税が、平成14年度に約23億5000万円に減り、平成15年度には、約21億2000万円と、わずか3年で約5億円減少。青垣町もこの3年間で約3億4000万円交付税が減った。 市町長は「ゆとり」を元手に事業を行っている。建設事業だけでなく、福祉や団体への補助といったソフトサービスもこの「ゆとり」でまかなっている。「ゆとり」が少なくなると、住民へのサービスが提供できなくなる。青垣町を例にとると、この「ゆとり」が、平成13年度に約6億8000万円あったのが、平成15年度には約4億5000万円になる見通しだ。国の施策により、たった3年で3割以上も「ゆとり」が減った。 行政は住民サービスに少しでもお金が回せるよう、最大限の努力を行わなければならない。住民も自分たちに回ってくるお金が減っているという現実を、厳しいが受け止めなければならない。1市6町ともすでに現在のサービス維持が困難な状況にある。(足立智和)

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