バラ園の癒し

2007.06.07
未―コラム記者ノート

 「自宅の裏庭にローズガーデンを造りました」というお知らせをいただいて取材に伺った篠山市小立の堀江溢雄さん宅。山の斜面も利用したバラの庭は満開を迎えていた。 蔓バラの門をくぐると、真ん中に手作りのテーブルと丸太いす。軒下にも小さなテーブルセットが置かれている。溢雄さんと妻の紀子さんは、毎朝虫が付いていないか1本1本見て回り、農作業の合間にもバラを見ながら2人でコーヒーを飲む。「手があいたら庭にいる」そうで、まさに「癒しの空間」になっている。 庭は神戸農業改良普及センター所長を7年前に退職した溢雄さんが、コツコツ仕上げてきた。湿気の多い竹やぶだった約3アールの裏庭を開墾。裏山から切り出してきた間伐材で花壇の土留めなども作った。「庭造りは土地の広い田舎の特権。定年を迎えた団塊の世代の方にも大いにお勧めしたい」と話していた。 普及センター職員と聞けば園芸はお手のものなのかと思ったが、専門はイネ。イネとは「完全に話ができる」そうだが、「バラとはまだしゃべれない」のだとか。薄紫色の珍しいバラの香りをかぐ紀子さんの姿が華やかに見えた。(徳舛 純)

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