医師を集めるか、崩壊か

2007.06.28
未―コラム記者ノート

 16日の地域医療フォーラムで示された課題は、「いかに医師が働きたくなる病院・地域をつくるのか」ということだ。医療危機の根源は、医師が不足しているという点に尽きる。人手が足りないから、残った少数の医師に過剰な負担がかかり、やがてその医師も限界に達して辞めざるを得ない―。そんな「負の連鎖」に直面している。 講師の伊関友伸・城西大学准教授が示した「医師が集まる病院か、医療崩壊か」という2択は、この問題の1つの見方として分かりやすかった。建物や設備を整えても、医師のいない病院はやはり「ただの箱」である。丹波市が県立柏原、柏原赤十字の2病院を支援するなら、「この施策で医師を招へいできるか」という点を最重要視すべきだし、市内病院でけん命に医療にあたっている医師の気持ちをつなぐためにも、支援策は早く具体的に示すことが必要だ。 伊関氏はまた、「県にとって県立柏原は、12ある県立病院の1つ」とも指摘した。「12分の1」への特別な配慮は期待できまい。遠くにいる「誰か」に委ねるのではなく、「自分たちに何ができるか」を考え、行動することが求められている。 (古西広祐)

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