アンパイア

2007.07.26
未―コラム記者ノート

 兵庫県高校野球連盟の登録審判員で今年、感謝状を贈られた丹波市山南町の垣内光弘さんを取材した。審判の話を聞くのは今回が初めて。野球中継を見るたびに目にするため、知っているつもりになっていた審判員という任務が、想像以上の激務であることを知った。 垣内さんは、ファールチップの直撃で、腕を骨折したことがある。また、たとえ防具越しでも、打球が顔面に当たった時に踏ん張り損ねると、むち打ちになるという。至近距離で打球音を聞き続けているため、高音が聞こえなくなり、食いしばるため歯はぼろぼろになる。これまで、「審判員は炎天下でも出っぱなしで大変だなあ」くらいの認識だったが、それどころではなかった。 しかし、垣内さんの口からは、それら激務の数々はさらりと語られ、代わりに「記憶に残っていること」として出てきたのは、10年以上前のミスジャッジへの反省だった。審判人としての心意気がかいま見えた気がした。 高校野球は県大会が終盤、プロ野球も後半戦が始まった。観戦の際、たまには、選手の後ろにいる人たちに目を向けても面白いかもしれない。(古西広祐)

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