「デカンショ祭」まであと数日となった。町には提灯などが吊るされ、まち行く人の足取りも弾んで見える。 デカンショ祭の特集を今年担当し、祭りの裏側を垣間見ることができた。照明づくりやデカンショ節の原型「デコンショ節」の練習風景などを取材し、一足早く「お祭り気分」に浸らせてもらった。 そんな中で感じたのは、祭りにかける人々の熱意だ。特に大人たちから取材中よく聞いた言葉が「篠山伝統のお祭りだから、盛り上げたい」だった。小さいころから親しんできたデカンショ祭に参加できることに、大きな喜びを感じているようだった。 熱が入っているのは子どもたちも一緒で、特集で照明作りや踊りの練習を取り上げた。話を聞くと皆「祭が楽しみ」と満面の笑みを見せる。その笑顔が、いつも大人たちと重なって見えた。 自分もあの祭を盛り上げるのに一役かっている、と考えると感動もひとしおだろう。大人たちの「祭を盛り上げたい」という気持ちは、もしかしたらこういう所ですでに育まれているのかもしれないと思った。(西澤健太郎)