先日、岡山県に住む母方の祖父母宅を訪れた際、祖父母が購読している地方紙に目がいった。4ページで枚数は丹波新聞と同じだが、夕刊で日曜・祝日を除いて毎日発行される点が異なっている。 自分が物心ついた頃にはもう祖父母はその新聞を購読していた。「長く購読しているね」と水を向けると、祖父は「お悔やみの情報が早く載るからな」。読んでみると、確かに早い。未明に亡くなった人の情報が、その日の夕刊に載っている。もっとも、同じ欄に前日・前々日の情報もあるので、全てを掲載しているわけではなさそうだ。家族が希望すれば即日掲載できる態勢になっているのだろう。なるほどこれは便利だ、と納得した。 丹波に帰ってきて、会社で別の地方紙に目を通すと、こちらには編集スタッフの闘病記連載が。筆者自身が体験した内容なので、さすがに読みごたえがあった。製作過程に融通を利かせたり、筆者が前面に出てきたり、どちらも「地方紙だから出来ること」だと感じた。全国紙よりボリュームが少ない分、地方紙には小回りとアイデアが不可欠。発想を柔らかく持ち、行動を敏捷に―。改めて肝に銘じたい。(古西広祐)