山の芋の風景

2007.11.15
未―コラム記者ノート

 篠山に新たな秋のまつりが加わった。西紀小学校区の各団体が集まって企画した「とろろ街道炎のまつり」。「とろろ街道」の名前は、昔は地域でたくさん栽培されていた、山の芋を再度見直し、道や風景と合わせてまちづくりを進めようと名づけられた。また、炎のまつりは、晩秋の夕暮れの空を焦がす風物詩を再現し、最近では失われつつある、「火の文化」「農の文化」を再発見しようとするもの。 高さ3?ほどに積まれたつるが17カ所の畑で5分おきに燃やされた。夕焼けと炎の色が重なり、自然が醸し出す美しい風景を感じた。木が燃える炎とは異なり、細いつるが光るように燃えているさまは独特の炎を作り出していた。来場者からは「迫力があるなあ」「予想以上に炎が大きい」などの感想が聞かれた。 黒大豆に比べて、全国的に知名度が高くない山の芋。農産物をPRするのに、料理法や加工品などがよく用いられるが、このまつりでは、風景や文化も伝えようとしている点が特徴。収穫のためでもあるが、まつりの準備で巻かれているつるが畑に並べられているのもいい風景だ。来年は、つる巻き体験を加えてみてはどうだろう。 (坂井謙介)

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