県は施策の検証を

2007.11.12
未―コラム記者ノート

 兵庫県が財政危機を脱するためにまとめた、行革案の素案には、丹波県民局の廃止・統合や、たんば田園交響ホール、丹波年輪の里の移譲以外にも、様々な事業の見直し案が盛り込まれている。 基本的には▽利用者の負担を少し増やす▽補助の対象範囲を少し狭める▽市(あるいは地元)の負担割合を増やす―などの方法で、県の支出を減らそうということだ。 直接的に影響を実感するのは利用者の負担が増える分野だろうが、「市の負担割合を増やす」方向の見直しも見過ごすことができない。県と同様、市も危機的な財政状況にある。増えた負担分のお金は、どうやって捻出するのか。県は、住民にも県内の自治体にも、負担増を強いようとしている。 これほど大規模な行革案が必要なら、財政は早くから悪化の兆しを見せていたのではないか、という思いがわく。5局への統廃合が示された10県民局は、6年前に「現地解決型」を掲げ6県民局から増やしたものだ。6年前には財政危機の兆しは微塵もなかった、とでもいうのだろうか。腑に落ちない。住民、自治体の納得を得るには、県がこれまでの施策の検証を行なうことが不可欠だ。 (古西広祐)

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