新行革プラン

2008.02.25
未―コラム記者ノート

 兵庫県が、財政再建のために策定を進めている「新行革プラン」(新年度からの11年計画)の第1次案を発表した。 同案では、2018年度までの新たな財政見通しが示された。昨年発表の素案より、県税収入見通しを厳しく算定し、さらに経済成長率を下方修正した結果、11年間の累積赤字が、素案での見通しと比べて830億円も増えた。もともと厳しかった財政見通しが、さらに悪化した。 新年度から予定されていた福祉・医療分野4事業での負担増は、「変化が急すぎる」との声を受けて、1年間先送りされた。これらの措置により、同分野での行革効果額は11年間で約60億円減る。 県民生活への影響を軽減する措置は歓迎したい。しかし、財政見通しは数百億円単位で悪化している。財政の再建には、「少しでも支出を削りたい」という姿勢が必要だ。一方で、行政としては「県民に必要な事業は削れない」という思いもあろう。 危機的状況を迎えた段階で、行革を進めるのは本当に厳しく難しい。ねじれを含んだ第1次案から、そのジレンマがかいま見える。「なぜ、こんな状況になるまで」と、今なお思う。 (古西広祐)

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