反論できない

2008.03.20
未―コラム記者ノート

 県立柏原病院の小児科を守る会の関係で、県内外の医療・マスコミ関係者と医療情勢の話をする。丹波しか知らない私と違って、全国の事例に通じている人の話を伺うのは、大変勉強になる。と、同時に、丹波の医療の先行きは、今のままでは、とても暗いものになるという確信を抱くに至った。「10年で地方に医師は戻らない」「県にどうにかする力があるとは思えない」「柏原病院はなくなるかもしれない。非常に危ない」。多くの関係者の見方だ。 同病院の医師数が、4月から5人減り、20人となる。20人のうち、本人または配偶者が丹波出身という医師が9人いる。この体制は長く続かない。丹波と縁のない、普通の医師が働ける病院でなければ未来がない。 多くの研究者・取材陣の疑問は「ここまで事態が深刻化しているのに、なぜ、他地域のように、統合再編の議論が丹波でされないのか」だ。私が、「経営母体が違っているので、難しい。政治的にタブー視されているようだ」と答えると、「どこも難しい問題を抱えながら議論を始めている。丹波は大崩壊しますね」と言われる。言い返す言葉は、見当たらない。 (足立智和)

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