先日、「篠山ABCマラソン」を取材した。第28回目となるおなじみの大会だが、本番を取材するのは初めて。スタート前には、タレントの司会でホノルルマラソン出場権が当たる抽選会などが行われ、イベントとしても盛り上がっていた。 77・4%という完走率の高さに驚いた。8446人が出走し、6500人あまりが42・195キロを走り抜いてゴールした。「参加することに意義がある。行けるところまででいい」というランナーが結構いるものだと思っていたが、大半の人が気合いを入れて「完走」をめざしているのだと改めて気付いた。 未登録男子の部で3位に入った井上孝信さんは、「市島中」という所属団体名で出場していたが、今年度から中学の陸上部に入った娘と一緒にがんばるという気持ちで所属団体名にしたという。娘は応援に来られなかったが、原動力にもなっていたようだ。 マラソンに出るからは多少のトレーニングも必要だ。家族や仲間の応援、沿道の人たちとのふれあいもあっただろう。ランナー一人ひとりがストーリーやエピソードをつくったに違いない。(徳舛 純)