自宅から歩いてみた

2008.04.28
未―コラム記者ノート

 健康のため自宅から5キロほどの距離を歩いて出かけた。自動車だとバイパス道路を通るのだが、徒歩では危険なので集落内の旧道に。通学路でもあるその道を歩くのは、実に17年ぶりだった。 歩いていると色々なことに気が付く。ここにあった家がない。ここの道がきれいになっている―などなど。一番驚いたことは、集団登校で、ある地点を通過する際に裏返し、自分たちの集落がその場所を通過したことを知らせていた、集落名の札がなくなっていたことだ。札をかける表示板は残っていたが、札は見あたらない。おそらく、もう使っていないのだろう。 札を裏返すのは最上級生の役割で、自分がその立場になった時は、少しうれしかった。そんな思い入れに加え、毎日裏返していたので「あるのが当然」だと思っていた。しかし、それは自分だけの常識だったらしい。「20年近く前だもんなあ」と、小学校時代を思い返しながらその場を離れた。 普段、自動車で移動していると、道路の周囲は、高速で流されていく風景に過ぎない。しかし、歩いてみるとまた違った景色が見えてくる。今度はどこを歩こうか。(古西広祐)

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