幼稚園と保育園の機能をもつ「認定こども園」を考えるフォーラムが、丹波市氷上町南地区で開かれた。同地区の商工会が企画したのだが、校区外の人の姿も多くみられた。 丹波市は、10年程度をめどに幼稚園・保育園41園を、民間運営による12―13のこども園に集約する方針だ。出席した市職員らには、コーディネーターや一般出席者から、「民間運営になるが、行政の関わり方は」「なぜ公設でないのか」「集約規模の根拠は」「幼稚園と保育園とは、機能が違うはず」など、次々に質問が出された。 基本的な事項への問いが大半だったが、そこからは、この問題が市民によく理解されないまま、「10年程度」という期限のなかで徐々に進められていることへの強い不安や疑問が伝わってきた。 「行政からは、財政や経営の話ばかり出てきて、子どものためにという視点が見えない」。出席者の一人はそう訴えた。こども園の設置は、地域から幼稚園や保育園が姿を消す可能性を含む。市が計画を進めるには、「これによって子どもたちがどう変わるのか」という、より明確な説明と議論が不可欠だ。(古西広祐)