国レベルの絶滅危惧種の植物 篠山で発見

2008.05.27
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 近い将来、 野生での絶滅が懸念されるとして環境省が絶滅危惧種に指定している2種類のベニバナヤマシャクヤクが、 篠山市内の山中で見つかった。 「ベニバナヤマシャクヤク」 のほかに 「ケナシベニバナヤマシャクヤク」 の2種類。 県立人と自然の博物館 (三田市) の藤井俊夫主任研究員によると、 この2種類が同じ場所で自生しているのは極めて稀という。 いずれも兵庫県版レッドデータブックでAランクに指定されている。
 篠山自然の会会員の太治庄三・丹波新聞社記者 (35) =同市今田町下小野原=が植物調査中に発見した。
 ボタン科の多年草。 高さ40―50センチ。 両種の違いは、 葉の裏の軟毛の有無。 「ベニバナ―」 は県内では初めて確認された。 「ケナシ―」 は近畿地方で確認されているのは兵庫県だけで、 県内では但馬、 西播、 摂津などで確認されているが、 丹波地域では初。 全国で約1000本と推定されるほど極めて個体数が少ないため、 ほとんど研究が進んでいない。
 同研究員によると、 「2種類とも石灰岩の岩場などの明るい場所を好むが、 近年、 里山林が手入れされなくなって木が生い茂り、 森全体が暗くなったことと、 観賞用に採取されることが多いため、 個体数が激減した」 と話している。

(写真)篠山市内でひっそりと咲くケナシベニバナヤマシャクヤク

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