家の近くにヒメボタルの生息地があるので、今月上旬から、たびたび見学に出かけている。「蒸し暑くて、風のない日」という天候を見計らってはいるのだが、生息地が小規模なせいか、日ごろの行いのせいか、光の帯とも表現される大群にはまだお目にかかれていない。 実はヒメボタルを見たのは、今年が初めて。他の記者の原稿などである程度の知識はあったのだが、暗い竹藪の中でチカチカと明滅する光の粒を目前にするとなんともいえず心が躍る。明滅の間隔が長く、光のラインを描くように飛ぶゲンジボタルの姿は美しさに加えてどこか神秘的で、畏れのような気持ちを抱くことがある。一方のヒメボタルの光には、美しさとともに愛らしさが漂う。小さな姿がそう思わせるのだろう。親しみを込めて、「杜の妖精」と呼ばれるのもうなずける。 丹波市内では、7月5日まで毎週土曜日夜に市観光協会の主催で観察会「姫ボタルまつり」が開かれている。6月29日には、青垣いきものふれあいの里などの主催で、青垣地域でも観察会がある。心の一服に、お時間があればぜひ。(古西広祐)