篠山層群に改めて感服

2008.06.16
未―コラム記者ノート

 一昨年に大型草食恐竜の化石が見つかった白亜紀前期の地層「篠山層群」から、今度はほ乳類などの化石の群集が見つかった。 発見場所は篠山市。今回の発見は、丹波市だけでなく、篠山市も含めた同層群全体の学術的価値の高さを改めて知らしめる機会となった。地層は、当然のことながら自治体の枠にとらわれずに広がっている。地球の躍動が生み出したこの地層が、両市が一体となって研究を進め、地域の学術振興をはかるかすがいになってくれればと思う。 今回の発見は、現場から切り出したプラスタージャケット以外の泥岩、いわば切れ端から見つかった。今後、本命である泥岩の調査が進められる。ここから多様な生き物の化石が発見されると、丹波竜が生きた時代の生態系を探る大きな手がかりとなる。 白亜紀前期は、恐竜だけが存在していた世界ではない。その足元、あるいは頭上、あるいは地中で、どんな生き物が、どんな生命のドラマを繰り広げていたのか、今回の発見が契機になり、解明できるかもしれない。この時代のことをもっと知りたい。さらに興味がわいてきた。(古西広祐)

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