「ご退場願います」。こんな言葉が、11月4日夜、丹波市議会運営委員会で、私に言い渡された。 6日付の紙面で報道した、同市教育委員会職員が、マラソン大会の運営費などを横領していた事件。詳細が、市当局から説明されるとの情報を聞き、傍聴に訪れた時のことだ。 議運は、原則公開。しかし、傍聴者、それも記者がいたため、非公開採決が取られた。異論を唱える議員もいたが、結局退場させられた。 主な理由は、「プライバシーの保護」。横領した職員のことを指すと思われるが、実名は今も公表されないままだ。 議員は、市民の代表。当局側ではないし、市民に情報を伝える義務がある。公開できないものもあるだろうが、市民が被害者という今回の事件は、公表すべきものだ。翌日当局が会見を開いたとはいえ、いったんは市とともに市民に対して秘密にしたことになる。 「開かれた議会」。よく耳にする言葉だが、「開かれていない議会」を目の当たりにした気持ちだった。 16日、新議員24人が誕生した。どうか、市民の立場に立ち、本当に開かれた議会を作ってもらいたい。 (森田靖久)