【政】まつりごと。祭り事の意。上代では祭政一致であったことから、主権者がその領土、人民を統治すること(大辞泉より)―。 「まるで、お祭り騒ぎ状態」。アメリカ史上初の黒人大統領にバラク・オバマ氏が就任し、現地に住む丹波地域出身者に電話取材したときのコメント。氏に寄せられる期待がひしひしと感じられる状況を、端的に表現してもらった。 前述の「政」における祭とは、神事のことを指すため意味は異なるが、なるほど、今回の大統領選は、まさに「まつりごと」だったようだ。 新大統領の演説で出たのが「再建」という言葉。それは、丹波地域の政治家もよく口にする。では、この地域の選挙で、アメリカほどの関心の高さが見えたかと言えば、そうではないだろう。 お祭り騒ぎとなることに、一抹の不安を感じるのは事実だが、政治に対する関心の高さの表れでもある。 今年は、総選挙が控える。「再建」を掲げるには、十分すぎるほどの状況の中で、いい意味でのまつりごとになることを期待したい。(森田靖久)