あれがきっかけで

2009.03.12
未―コラム記者ノート

 先日、いつものガソリンスタンドに給油に寄った時の出来事。レジにいた男の子に見覚えがあり、「こんにちは」と声をかけた。彼は、篠山産業高校の2年生の時、友だち4人で下校中、倒れている男性に遭遇し、救命措置をした男の子の1人だ。1面に大きく掲載したこともありよく覚えていた。 相手も「新聞の人ですよね」と顔を覚えていてくれた様子。先日高校を卒業したという。「進路は決まったん?」と続けると「ハイ、専門学校に行きます。あれがきっかけで消防士を目指しています」。さわやかな返答だった。 あの時は、119番通報した消防本部の指示で、生徒たちの1人が、倒れた男性に心臓マッサージをした。男性は元小、中学校の教員で、生涯を通じて教育に力を注いだ人。命は助からなかったが、遺族は高校生たちが勇気を出して救命措置をしてくれたことにとりわけ感謝し、学校にお礼に訪れたのだった。 偶然の出来事から将来の職業選択の夢へとつなげた高校生。多くの命を助ける人になってほしい。実現に向かってがんばれ~!  (徳舛 純)

関連記事