卒業

2009.03.31
未―コラム記者ノート

 「いつのことだか 思い出してごらん」―。毎年この歌が聞こえだすと、「卒業の季節が来た」と感じる。卒業式に臨む子どもたちを見ては、自分もこの歌とともに学び舎を巣立ったことが脳裏をかすめる。 卒業後、学校とかかわることはあまりなかったが、記者になり、想像以上に学校に行く機会が増えた。取材した子どもたちの晴れの姿は、勝手ながら感慨深いものがある。 学校での取材でふれあったのは、子どもたちばかりではない。担任の先生や校長、教頭先生。おもしろい情報を提供してもらったり、取材が円滑に進むよう配慮してもらった先生たちの中にも、卒業を迎える人が何人もおられる。 数年の学校生活でも、子どもたちは、寂しさに、感動に、涙を流す。何十年も同じ職についてきたのだから、万感胸に迫るものがあるだろう。 「終わる」ということは、「始まる」ということでもある。退職後、どんなことを始められるか私も楽しみだ。 「あんなこと こんなこと あったでしょう」―。さまざまな思い出を胸に、次の舞台でもお出会いできることを楽しみしている。(森田靖久)

関連記事