佐久総合病院に学ぶ

2009.07.16
未―コラム記者ノート

 健康寿命日本一の長野県。長野を長寿県に押し上げた理由の1つが検診で、集団検診を生んだのが、佐久総合病院。地域医療を志す医師憧れの地で開かれたシンポジウムで、丹波の取り組みを話してきた。 600床で、医師200人、看護師1200人、総職員数は1800人。「農民と共に」の精神に根ざし、積極的に往診に出かける一方、全国で18しかないドクターヘリが常駐する病院として、重症患者を受け入れる。 別会場で開かれていた労働組合の研修会にもお邪魔した。執行委員長は、「うちの組合は、休みを増やせとか、給料を上げろとか言わない。病院をより良くする話ばかりしている」と笑った。有名な医師と若手事務職員が酌み交わす垣根の低さも見たことがないもので、長年かけて培われた「文化」に触れた気がした。 「日本の宝」と称えられる病院が当たり前のように存在している恵まれた環境が、住民の意識改革を阻んでいるようで、「このままでは危ない」という危機感からシンポジウムが企画されたそうだ。「丹波を真似たい」と言って頂いたが、こちらこそ真似たい点が無数にあった。(足立智和)

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