先月19日から27日にかけて篠山市河原町で開かれた「丹波篠山まちなみアートフェスティバル」には、9日間に2万人を超える人が訪れたそうだ。河原町は昔、篠山で一番の繁華街で、交差点の信号も城下町で最初についたと聞いていたが、今回ほど大規模なにぎわいは近年にないことだったと思う。 イベントでは25軒の町家をギャラリーに、36人の作家が出品した。作品展としてのすばらしさもさることながら、まちの人たちが家をギャラリーとして提供したことに心意気を感じる。 河原町通りは、伝建地区指定後、補助金制度を活用して、町家の修復がかなり進んだ。城下町のなかでももともと景観の良さが光っている地区だったが、最近は特に町並みの価値が際立ってきた。 町家とアート作品のコラボレーションを楽しむイベントの大きな目的は、アートを切り口にしたまちの活性化。河原町とアートを深く愛する篠山人たちによる熱いイベントだった。フェスティバルでまいた種は、近い将来また遠い将来、いろんな形で素敵な花を咲かせることだろう。 (徳舛 純)