丹波市や福知山市で続発している可能性が高まってきた瓦詐欺事件。「まさかね」と思いつつ、取材を進めていくうちに、パズルのピースがどんどん埋まっていく。いつしか、取材に向かう足を止められなくなっていた。 取材を進めていく中で、「他にも被害者がいる」「名乗った業者はすでに廃業している」などの事実が判明。「ここから先は警察の仕事では」とも考えたが、「自分が調べたい」という青臭い思いが勝っていた。 記事を出してから数日経ち、新たな被害者が警察に名乗り出てくれた。その上、関係者の方がわざわざ本社まで足を運んで頂き、「こういう犯罪は許せない。もっと記事を書いてほしい」と励ましてくださった。 勇気づけられたのと同時に、この事件が警察からの発表で判明したものならば、こんなにも力を注ぐことができたか、と自責の念も募った。 どの事件にも被害者はおられるし、同様に被害防止を訴える記事を書かなければならない。自分で得たものも大切だが、普段の記事にも同じ思いを持たなければ。 まだまだ一人前には程遠い。(森田靖久)