「はい、いらっしゃい!」。威勢のいい声と元気な笑顔に正直びっくりした。だって82歳のたこ焼き屋さんですよ。 丹波市山南町で、たこ焼き店「門屋(かどや)」をオープンした奥田芳夫さん。「80歳を過ぎて、新事業に取り組んでいる人がいる」と噂を聞きつけた時は、「出資だけでは」と疑ってかかっていた。 でもそれは大きな勘違い。ちゃんと具材の仕込みから自家製ソースの開発までしておられた。まったくもって頭が下がった。 退職後に抱いた夢を見事叶えた奥田さん。記事を掲載すると、会社に読者からのお便りが。「勇気をもらった」「元気、やる気、ありがたいです」。みなさん一様に元気をもらわれたよう。 何歳になっても夢を持つこと、そして、それを実現することのすばらしさを、身をもって示されていると思った。 かく言う私も触発され、家でたこ焼きをつくってみた。型に生地を流し込み、具を入れ、タイミングを待つ。えいやっとひっくり返すと、また失敗。アツアツ、トロトロのたこ焼きへの道は遠い。 まずは、いい記事を書けるようになろう。 (森田靖久)