サルと電動ガン

2010.02.11
未―コラム記者ノート

 サル追い犬「モンキードッグ」に続いて、サル追い払い用の電動ガンを被害に悩む集落に配備―。サル対策にあの手この手を打ち出している篠山市。今度は電動ガンでサルを追い払う試みを始めた。 電動ガンはおもちゃだが、その威力は強力で、飛距離は約60メートル、至近距離だとアルミ缶をも貫通する代物だ。日頃サルが恐れない女性や高齢者が近くから発射すると、相当痛い思いをすることが予想できる。サルの学習能力を逆手にとって、「人は怖いもの」と刷り込ませることがこの対策のポイント。すでに全国各地で実施されており、効果をあげているようだ。 県内のサルは、6つの地域個体群に分かれて生息しており、生息地の距離が最も近い篠山―神河の群れ間でも、約40キロも離れている。このことから、遺伝子の分断、孤立化がすでに始まっており、絶滅が危惧されているという。被害農家にとっては憎いサルだが、殺さずして、被害を防ぐ今回の対策には好感が持てる。篠山では始まったばかりで、効果のほどは未知数だが、何とぞ成功事例となるよう、願わずにはいられない。        (太治庄三)

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