先日高熱を出し、病院での検査で、「A型陽性(新型インフルエンザ疑い)」と診断を受けた。うんうんと病床でうなりながらも思うところがあったので、ここに記させてもらおうと思う。 まずもって、独り身という現実がこたえた。食事をしようにも作る気は起きない、買い物にも行けない。家族がおられる方は、支えてくれる人がそばにいるだけで十分幸せと思ってほしい。 続いて、新型疑いゆえの不安。病院では、「人と接触しないでください」。治療薬をもらうときには、「異常行動がみられた例がある。家族は注意して」と書かれた紙を頂く。一人暮らしなのですが…。 全快後も、知人は冗談半分でばい菌扱い。「近づくな」と目で釘をさされる。下火になりつつある今でもこうだ。 新型疑いと言われてわかったこと。それは、体はもちろん、精神的にも疲弊するということ。何度もインフルエンザに関する記事を書いてきたが、やっと患者の気持ちが理解できた。 これからもいろいろな人を取材していく。可能な限り、相手の心を理解した記事を書きたいと思った。(森田靖久)