駐車場とお付き合い

2010.03.08
未―コラム記者ノート

 深夜に母から電話。慌てた声で、「あんたの家に今から警察の人が行ってやから」。布団をはねのけて飛び上がった。 話を聞くと、私がアパートの駐車場を間違えており、本来の借主が不審車両として110番通報したとのこと。事情聴取を受け、おまわりさんと一緒に謝りに行った。 私に非があるのは明らか。でも、ほんの少しだけ意見を言わせてください。 長期間の駐車や明らかな不審車ならわかるが、田舎出身の私としては、「自分の駐車場に車がある=110番」という流れに驚かされた。きっと知らない人を相手に自ら注意や張り紙をして、もめ事になるのが嫌だったのだろう。 田舎なら、「ちょっとあんた、間違えてるんちゃう?」「あぁ、ほんまや。すんません」で終わりそうなものだ。 「近所付き合いの希薄化」。この言葉がピタリと当てはまるように思う。アパートという特異な空間だからではあるが、住人の大半は地元の人だ。「地域でも似たようなことはあるのでは」と考えてしまった。 なんとも世知辛い世の中になりつつある気がして、少しさびしくなった。(森田靖久)

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