「記者やったらいろんな人と出会うやろ。その中で普段知り会わへんような人と人をつないで、コンサルタントみたいなことしたらどうや?」。取材先のおじさんと雑談していると、こんな言葉を頂いた。なるほど、いいですね。 記者という仕事はたくさんの人に出会うが、どこまで行っても「外の人」。もちろん「それが仕事だ」という自戒もあるが、わいわい楽しそうな祭りや壮大な計画を立てておられると、ついつい「私もまぜてっ」と言いそうになる。 ある人が、「これからは新聞も地域づくりに参画していかなければ」と提言されていた。その方法は「暗い話題はなるべく載せず、明るい話題を取り上げる」のだそう。 個人的には、その案には首をひねる。たとえ暗い話題でも読者への影響を考えれば載せざるを得ないし、それが新聞の役目だとも思うからだ。 そんな中で、おじさんの言葉で得心した。人をつなぐことで新しい出会いや発想が生まれれば、私も地域づくりに参加したことになる。 篠山も丹波も同じ丹波地域。両市を吹き抜ける風のようになり、人をつないでいければ。 (森田靖久)